Fast-Foward

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断食感想小説-てんで性悪メガミサマ-

私は今年20歳になる女です。
今が人生の春だと人は言います。ですが私には、胸の中に、踏み潰されたアリのような、気持ちの悪い罪悪感があり、はっきり言って、今は人生の冬と言っても過言ではありません。師走の街中を、バスローブを着て、多くの殿方にジロジロみられている季節と言ってもいいでしょう。そのくらい胸糞悪い気持ちで今はいます。
私の容姿は決して悪くなく、むしろ美しいとよく言われます。西洋人の血が、少し入っているのかいないのか、それは誰に聞いてもわかりませんでしたが、ハーフに近い顔だそうです。
高校のときなんかは、世界史の先生に"クレオパトラちゃん"と呼ばれて親しまれていたくらいです。こんな具合ですから、男の方にも随分迫られました。
ですが、男の方なんかはゴミのようにしか、私には見えません。もちろんすべての男の方がゴミのように見えるわけではありませんが、世のほとんどの、9割くらいの男の方はゴミとバカにして、世間にはばかりません。このことは、私の多くの優しい女の友人に、ガールズトークで話していることです。では残りの1割の男性はなんなのか、というと、無価値です。さして興味もない層です。
私が興味を抱く男性など、地球上に、片手の指の数もいるかどうかわかりません。それはなぜなら、私の男の趣味が特殊だからです。
こんな性分ですので、私が男性に初めて興味を持ったのもごくごく最近です。それは17歳のときであったでしょうか。ですがこのことを申し上げるには、少し躊躇します。だけれど、成人式も終わって、大人の女になるためには、どうしてもこのことを公に告白したいと思うようになりました。それでは、つたない文章で恐縮ですが、以下を読んでいただけたら幸いです。



それでは、はっきりと告白しようと思います。
これは私にとって、とてもとても鮮明でグロテスクな物語ですので、事細かに詳細に、記述できることと思います。

17歳でした。最初、異変に気付いたのは「断食をする」と突然叫びをあげた私の心でした。なにか、自分ではないような、それでいて自分そのもののような、熱い心で冷静な思考をしている自分の脳みそが、私に生活を正すよう諭してきたのです。
その時、あれっと少し思いましたが、そんな気持ちは、タクシーに乗ったあと、その前の自分が何を考えていたかを思い出すのが困難なように、ふっと消え失せて、まったく頭からなくなってしまっていました。

「"断食"へ」
そうタクシーの運転手へ告げて、その方向へ、自分の意思とは無関係に、タクシーにゆらりゆられて向かっていました。
これはその時の私の心情の比喩であり、自分で言うのは恥ずかしいことかもしれませんが、とても上手に表現できていると思います。
つまり、意識的ですが、まるで無意識のような感じで断食を始めていました。びっくりするかもしれませんが、これは事実ですから、自分では疑う余地はありません。
しかし、こともあろうに、断食(言い忘れていましたが水だけOKというルールで行っておりました)は、24時間30分くらいで終焉してしまいました。
"終焉"、という表現をしましたが、これは私にとって、戦いであったからです。
だけれども、それでも唯一やすらぎの味を味わえたことがありました。それは、恋に焦がれる少女のような、そんなハートが喉から入ってきて、胃に落ち、腸で消化できたことです。
汚い話になり恐縮ですが、その消化物は、最初、喉から入ってきたときは、まったくの純潔な少女の恋でした。それは胃に落ち、丸みを帯び、白かった球体は、やがて焦げました。単に黒くなったのならまだ可愛いのですが、焦げ焦げになり、葬式で火葬したときに漂う、陰気な匂いが滲み出てきました。されど球体の形状は崩れません。そのまま腸に潜り込み、私の下腹部をくすぐりました。そのとき
「あっ」
と阿呆のような顔で、部屋の天井に向けて声が出てしまいました。1人で部屋にいましたが、とても恥ずかしく、赤面してしてしまいました。
球体はさらに私の下腹部をくすぐります。それは徐々にくすぐりではなくチクチクとした刺激に変わってきました。最終的には痛みになり、ぷくぷくと腸が膨らみ、私のお尻から、3秒くらい可愛い放屁がなされました。
その後、便意を催し、
「ぁおうっ...!」
といやらしい声が漏れ、便まで漏れては不味いと思い、家のトイレに駆け出しました。

この後の記憶は鮮明で、とてもリアルに覚えています。腰を上げて立ち上がり、冷や汗が左の眉の上あたりから、つー、と落ち、なんだか寒気が少しして、排泄のために急ぐ自分の惨めさに、悲しくなり、涙ぐみそうになり、だけど泣くわけにはいかず、左足から駆け出しました。
右手で自室のドアノブを勢いよく開け、ドアも閉めずにトイレに急ぎました。トイレは一階で、私の部屋は二階でしたので、階段を下品にバタバタと駆け下りました。
いよいよトイレの茶色いドアの目前に到着し、ドアノブに手をかけられ、これでトイレにいける、と思い胸を撫で下ろしました。
しかしそれも束の間、ドアノブはビクともしません。先客がいたのです。でも、あれ? と私は困惑を隠せませんでした。なぜなら、そのときは家に1人で留守番をしていたからです。
そのとき、先ほど少しほっとしたのが災いして、ちょっと軟便が漏れそうになっていました。それなのにドアノブはバッファローマンの角(キン肉マンのキャラクターです。彼の角はとんでもなく硬いのです)のように微動だにしません。
私はパニックになり、頭の中が真っ白になり、手持ちポケモンがすべて瀕死になったトレーナーはこんな気持ちなのだろうか、などとポケモン好きの私は考えていました。
なんて危機感のない私でしょう。そしてこともあろうに次の音が鳴るまで何秒かぼうっとしていたのです、便が漏れそうなことも忘れて。
「ガタンっ!」
パニック中の私は、現状を、その奇ッ怪な音によってハッと我に帰らされました。
その瞬間、「誰かいるっ!?」、と冷静に思考がはたらきました。
それと同時に、根暗そうな男が、こちらを向いてニヤッとした口をして、私の家のトイレのドアから現れました。彼は上半身だけがなぜか裸でした。身長は私より少し大きいくらいでしたので165とかそのくらいでしょう。


よく顔を見ると、その男は、私と同じ高校の同じクラスの、根暗でやや痩せ気味の生徒でした。彼は、学校では、とても不気味でした。というのも、授業中、ノートの片隅を正方形に小さく切って、折り紙みたいにして、小さな折り鶴を延々と作っているヤバい奴だったからです。彼は、たまに、私に話しかけたがっている様子を見せて、廊下で5メートルくらい離れた先で私の顔を凝視し、「あ」と言いたそうな口をしながら片手を小さく私に向けてくることが週に3回くらいありました。きまってそれは、放課後の出来事でした。その間、私は、彼の気持ち悪いであろう話を、ネタにして友達に話すために、心待ちにして話しかけられるのを棒立ちで1分くらい待っているのですが、この不気味な男は、1分も私に話しかけたそうな素振りを見せて、結局話しかけずに後ろ歩きで5歩くらい下がり、カニ歩きで教室に入って行くのです。
当然、私は教室に入ってなにをするつもりだろうと不思議に思い、彼の様子を見に、ゆっくり教室に近づき、探偵のようにバレないように入り口の扉に片目だけ出して覗き込むと、彼は私の机に座って伏せ寝をしているのです。それはまるで私に話しかけられたがってやっているようでした。私は、その、多分私のことが好きでやっていることが面白くなってきて、何分も放置してイジめてやるプレイをしました。彼が、私の机での伏せ寝から起き上がり、実は私がずっと見ていたことに、どういう反応をするか想像するとゾクゾクとしました。さらに私は、彼が何分伏せ寝をしていられるか試してやりたくなり、ケータイを取り出し動画を撮り始めるのです。5分くらい経っても彼は伏せ寝をやめないので、ついに私は、教室の私の机の後ろに音を立てないように近づきます。もちろん動画を撮りながらです。彼はそれでも私に気付いているのかいないのか、微動だにせず、無益な伏せ寝を続けています。私は私の机で伏せ寝をしている彼の姿を、後ろから動画を撮り続けてやります。この時間は1時間くらい続きます。
1時間くらい経つと、待ってましたといわんばかりに、彼は突然しだすのです、ぷっと吹き出してしまうあれを。
(続きます,というか売り出すかもなので良かったら買ってください。百円です)