サブスティテュート
代わりの自分というものが、この世にいるでしょうか。自分は透明になって空に浮いていて、代わりの自分が、あくせく働いている様を見下ろすのです。
そんなこと、現実にあり得ません。現実にないことを僕は言っているのです。
現実で生きるには、とてつもなく自分でいなければなりません。自分が自分のすべての体を動かして、なんらかの方法で生きている状態を維持していなければなりません。
なぜなら、それを放棄すると、苦しいし、最悪死んでしまうからです。
だから僕は、自分でいることを頑張ってしています。自分であることをせっせとしているのです。僕が蟻なら、僕は蟻にしか傍目には映りません。
僕は、全員の蟻が集合するという奇跡が起こることを願っています。そうすれば、見映えがいいからです。
綺麗に、1匹残らず黒い点に集まれば、きっともうなにもすることはないと思います。