Fast-Foward

日記やアングラ系記事を書きます

ウェイトがなけりゃ味がない

ウェイトの重要性に気づいた。
ここで言うウェイトとは、一瞬のフリーズのことである。
性能が悪くて止まるとか、そんなんじゃなくて、あえて一瞬止まらせて、物事にメリハリをつけようとするエフェクトのことだ。
例えばパチスロ
スロットマシーンはレバーを叩くとリールが回りだすが、レバーを叩いたらすぐにリールが回るのではなく、あえてレバーを叩いた後に、1秒くらいフリーズしてからリールが回りだすプログラミングがされている。
しかもそのフリーズする時間はランダムで、長ければ2秒3秒とフリーズする。
僕はここにスロットの面白さが隠れていると思う。
1度、ウェイト設定をゼロにして、レバーを叩いた後、絶対にすぐリールが回転する設定にしてある機械で遊んだことがある。感想としては、とてもつまらなかった。メダルが湯水のように減っていくし、すぐにリールが回るので、前につんのめるような、せっかちな気分になった。そのくせ、スロットをしてるときのハラハラする気持ちはまったくない。ただ淡白にレバーを叩きリールを回す作業をする単純労働者みたくなってしまった。

つまり面白いものには、どこかで時間的に一瞬止まるようなプログラムがされている。
なにもこれはスロットに限った話じゃない。

他に、こんな話がある。
Wiiというゲーム機でスーパーマリオブラザーズの新作が出た時、製作者が言っていたことだ。
そのゲームは、横スクロールアクションで、平面の横に長いステージを敵を倒しながら進むという内容だ。4人まで同時に協力して遊べるのだが、仲間4人でステージを進む最中、途中で仲間が死んでも、残り回数分だけ復活ができるというルールがある。
そしてここがこだわりの点で、このゲームは、仲間が死んだときに、あえて画面が一瞬止まる仕様になっている。仲間が1人死ぬと、他の仲間のキャラクターの動きが一瞬止まる。その止まっている時間にキー入力をしていると、それは反映されずに、例えばジャンプボタンを押していたらジャンプできずに道連れに死ぬこともあるのだ。しかしこのフリーズこそが、このゲームの協力プレイを面白くしている要素なのだと製作者は言っていた。ゲーム内の世界が一瞬止まることによって、メリハリをつけているのだ。
当時、僕はこのゲームをリアルタイムで購入して遊んでいて、初めて画面がフリーズしたときはバグかと思った。しかし違った。むしろバグなどではなく、このゲームの真髄だと知った。
マンネリ化したシリーズだったが、仲間が死ぬとあえてウェイトがかかるというシステムにより、マンネリを打開したのだ。

ウェイトというエフェクトは、時間という一定で流れるものをあえて乱すことによって、単調さをなくしている。

我々は、等しく平等に時間が一定の速度で流れる世界に生きている。だからこそ、創作作品で、この単調な人生の時間のスピードを乱すことは新鮮だ。
ウェイトに限らず、時間をいじる行為というのは、人類がいまだに成功していない領域なので、かくも魅力的なのだろう。
つまり時間をいじればなんか知らないけど面白くなる!!って思った。